夢の街。

2011年10月3日 エッセイ
                

何年ぶりか分かんないくらいだよ
キミに会うの

あの時と変わらない
細い路地
行き交う人々
音楽溢れる街

ボクの名前を見つけたときに
ただ懐かしいって思ったかな
目の前の席に座ったボクを
たまに目が合っても
見つめられないよお互い
近過ぎて

別にあの特等席を選んだわけじゃなくて
そこしか空いてなくて
仕方なく座ったんだけどね

まぁ、100年に一度くらいいいかな
って
そんな近くで見る勇気なんて
1000年あっても無いくらいで

だめだね
照れちゃって
お互い
恋人でもないのに
恥ずかしすぎて
久しぶりすぎて
ボクはまるで
うまく笑えなくて

至近距離1mで
見つめられるわけない

って泣きそうな面持ち
なのに
なのに
どんどん近付いてくる
来るな
来るな
うぎょおおぉ

目の前20cm

「随分、昔っから応援してくれてる
 遠くから来てくれたよな、今夜」

そう云って
手を差し伸べた
キミの大きな手に
手を伸ばして触れたら
ギュっと握り締めてくれた

痩せたな
(そ、そりゃ昔に比べたら、の話だけど)

フルネームで
皆に紹介され
拍手を受け
隣の友に
えー!?、すごーい、すごいよ!
と云われたけど
なんだか
夢の中だった


書いた手紙は300通余り
ラジオ番組にも週10通は送って
毎週読んでもらって
葉書レギュラーになって

それでも
それがなんになるんだ
なんにもなんない
ただ時間の無駄遣いだった
そんなふうにあとになって
思ってた

それが
あの一瞬で
全て、報われた
そんな気がした

いろんな出来事があって
振り返れば
全部、乗り越えてきた
きっと ふたり

今だから
会えたんだろうか

またずっと
会えないかもしれない

それでも
お互いの名前を
きっと忘れたりしない


あぁ、どうして
そんなふうに笑えるんだろう
どうして
そんな笑顔ができるんだろう

キミのその笑顔は
くしゃくしゃで
あの頃のままだった

その笑顔で
みんな心が満タンだよ

ありがとう


また
好きになった

キミと
下北が。


今夜も

月が
とても
奇麗だよ



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